監視要塞スカラベの大胆なる欺瞞作戦を完遂せよ！奇策ローダン・シリーズ第４８７巻。

オービターに最後通牒を突きつけられ絶体絶命のテラに突如として救いの道を示す不思議な天才ジェン・サリクが提案した監視要塞スカラベの大胆なる欺瞞作戦の全貌を描く大長編ＳＦスペース・オペラ宇宙英雄ローダン・シリーズ第４８７巻。
本巻の執筆者は期待に応え常にサスペンスの王道を歩み続けるフランシスです。
オービター危機が始まったのが４６８巻ですから既に１９巻の長きに渡って中々決着がつかずに巻を重ね、
やっと手に入れたとしてもそれは「ささやかな勝利」に過ぎないのが何ともじれったい限りですが、
でも良く考えると大長編ＳＦの醍醐味はこの厄介さにあると思いますので（あっさりと問題が解決したらこんなつまらない事はありませんよね）こうなったら作家チームと根比べで必ずや訪れる結末まで辛抱強く見守って行きたいと思います。

『不思議な天才』Ｈ．Ｇ．フランシス著：オービターの地球からの撤退要求の難問を抱え打つ手が全て実らずＬＦＴ首席テラナーの地位も失いそうな危機に瀕したティフラーに不思議な天才ジェン・サリクが救いの手を差し伸べようとしていた。
本編では株売買で損失を出して苦悩する老銀行員や親の愛情が得られず家出した少年に優しく接し最良の方法で問題を解決してあげる天才ジェン・サリクの人間的な魅力に純粋な感動を覚えましたね。
彼が提案した大胆な作戦は正攻法ではなく完全な奇策なのですが、
昔のローダン物語では何度も読んだ記憶がある発想の転換にすっかり忘れかけていた懐かしさを感じましたね。
『監視要塞スカラベ』Ｈ．Ｇ．フランシス著：