魯山人を楽しむことを教えてくれた写真集

何必館で見て覚えているものもいくつかあり懐かしく鑑賞しました。
どの器の写真集にも負けない、
一つひとつがうっとりする背景の中で撮られており、
流石に花を撮らせれば右に並ぶものがいない稲越功一さんの写真です。
魯山人といえばとても個性の強い作風ですが、
花と器の素晴らしい融合が何ともいえない柔らかさと気品と崇高さを演出していてうっとりしてページをめくりました。
何必館が舞台にもなっておりましたが、
京都の写真集と言ってもよいくらい京都の四季を背景に器がひきたっておりました。
この値段でここまで楽しませ、
また堪能させてくれる写真集は他にありません。
ただモノクロのページもあり、
それはそれで美しいのですが、
もう少しカラー・ページがあれば・・・と思いました。
でもこの値段すら文句はありません。
正直言って魯山人を再認識させられるものでした。
多分写真家自身魯山人をこよなく愛し・理解しておられるのだろうなと想像いたしました。
器を愛で、
楽しむとはこれかと。
料理を盛り付けて演出したくなる、
料理人や料理好きの気持ちがわかるような気さえしました。