名著だが
 本書は、
意味とか表象とか自由とか道徳のような、
自然科学の世界像の中に描きこみにくそうなものを、
頑張って描き込むぞ、
という種類の哲学(いわゆる「分析哲学」における自然主義)の本である。
丁寧で明晰で、
しかも情報量が多い(文献紹介も充実)。
哲学に興味がある人は、
ぜひとも全員読んだほうがいい。
全部でなくても、
たとえば決定論と自由意志の問題に興味がある人が第6章だけ読む、
という形でも勉強になる。


 しかし。
一般の入門者にこれを『哲学入門』として(副題も無しで)提供することには、
戸惑いを覚えざるをえない。
同著者の名著『知識の哲学』(産業図書)と同じように、
『自然主義の哲学』などとして刊行されるべきだったのではないか。


 著者は、
意図的にやっているのだろう。
ちょうど十年くらい前に著者は、
「分析哲学」こそが「ザ・哲学」であり、
現在進行形で唯一生き残っている哲学だ、
という趣旨のことを書いていた、
が、
言うまでもなく現在でも、
一般の読書人やほとんどの哲学者たちは、
そうは思っていない。
そのような世間に対して、
一定のインパクトをもたらす意図をもって本書『哲学入門』は出版されたのだろう。


 著者自身は、
「これがホントの哲学だ」(序文より)と確信しているのだろうけれど、
これを『哲学入門』として新書で出すなら、
最低限、
なぜこれこそが哲学なのかを説明する責任があるのではないか。
本書は、
「汗牛充棟」に流布している哲学(史)入門とは余りにも違う。
では、
それらの入門書は、
哲学入門として正しくないのか。
本書はそういう入門書を「もういいでしょそういうのは」としているが、
なぜ「もういい」のか。
本当に「もういい」のか。
そのあたりをもう少し、
序文で説明すべきだったのではないかと思う。


 …と書いてから思ったのが、
逆に、
「よくある哲学(史)入門たちのほうだって、
分析哲学的な哲学のあり方を全然紹介してないじゃないか」という反論もありうるということだ。
この反論は完全に正しい。
しかしだからこそ、
本書にはその両方のあり方を、
一応は視野に入れた書き方を(序文だけでも)してほしかった。
哲学は余りにも広大であり、
世の哲学入門書の多くは、
哲学の一部を哲学の全体だと思いこんでいるような書きぶりだからである。
哲学入門 (ちくま新書)

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