ガラパゴス状態の日本のエネルギー政策

2013年-14年にかけて、
世界の発電設備投資は雪崩を打って再生エネルギーに集中してきた。
その結果、
ヨーロッパでもはもとより、
アメリカでも中国でも再生エネルギー設備の割合は原子力を抜き去り、
化石燃料発電設備容量を抜くことも視野に入ってきた。

そのトレンドを、
2015年春時点の統計で詳細に、
かつ全世界的視野で包括的に記述している。


太陽光・風力の設備がFITを考慮しなくても既存の発電システムとコスト的に競合しうるレベルになってきたことと、
集中的な発電設備を新設するために要する期間が10年近くかかるのに対して、
再生エネルギー設備は1年で立ち上がるために、
うっかりしていると最新のトレンドが視野に入らないという盲点がある。
加えて、
集中発電システムは大容量の送電システム（したがって運転コスト）が必要であるのに対して、
再生エネルギーは屋根の上にシステムを置けるという身軽さが普及を加速させている。


訳者あとがきに、
著者へのインタビューが紹介されている。

「日本の考え方を支配しているのは、
年配の、
しかもほぼ男性だろ？　”これまでのやり方”しか考えられないんだよね」
終身雇用・年功序列の中で勝ち組に位置する人々が牛耳る意思決定は、
われわれをガラパゴスに閉じ込めている。