再び大傑作です。

　何度も同じことを書くようだが、
テテの作品には、
本当に駄作というものが無い。

　しかも、
あらためて思ったことだが、
彼は、
ただ単にピアノが上手い、
というだけではなく、
マイルス・デイビスと同じように、
自己プロデュース能力に秀でた人でもあったのではないか、
と思う。

　つまり、
アルバム一枚一枚が、
しっかりとした個性と自己主張を持って造られている、
ということだ。


　本作も、
同じメンバーで、
１年数ヶ月前に「テテ！」という傑作を吹き込んでいるが、
決してその二番煎じでも自己模倣でもない。
全く別個のアルバムに仕上がっているのである。


　だから、
結局、
テテのピアノに惚れ込んだら、
全部のアルバムを聞かねばならない仕儀に立ち至ってしまうのである。


　本作では、
ＬＰ片面すべてを占める組曲、
「カタラン」が意欲的だ。
電気楽器のギミックに頼るわけでも、
ライブでの勢いに頼るわけでもなく、
アコースティック楽器のみの構成力だけで、
２０分聴かせるのは、
トータルな音楽家として大変な力量である。


※残念なのは、
本シリーズのジャケットが薄い紙であること！