ロクデナシな人間くささ溢れる作品

谷崎潤一郎の官能小説をベースに、
大映の名監督増村保造さんが現代風に演出した本作もかなり見応えのあった作品でした。
昔、
テレビの深夜映画で見た記憶があって、
また見たくなり購入。
この作品の主人公のナオミを演じた大楠道代さん、
今見ても魔性の雰囲気漂うコケティッシュな女優さんです。
最近では阪本順治監督作品で故原田芳雄さんの主演・遺作映画「大鹿村騒動記」で原田さんの奥さん役を演じておられましたね。
男優陣も小沢昭一さん．田村正和さん、
倉石功さんなど濃い面々です。

そして本作は単なるエロ映画でなく、
文学作品らしい風格も垣間見えます。
まぁ人間誰もが持っているであろう、
えげつなさ・愚かさ・イヤらしさ・哀しさ・おかしさ…それらを引っくるめた（ロクデナシな人間臭さ）があふれています。

そして本作の脚本を担当した池田一朗さん、
なんと週刊少年ジャンプに連載されていた漫画「花の慶次 ―雲のかなたに―」の原作者の故隆慶一郎さんの本名と知ってビックリしました（本作以外の映画やテレビのシナリオも執筆されていたようです）。
いやはや、
意外な人々が集まって映画作りをしていたのにはこれまた驚きです。