訓読文を丁寧に読むことを条件として、中国の古典についてのとても優れた入門書

孟子・荘子から宋代の蘇軾・李清照までの、
中国の十二人の文章家の代表作の一部を、
訓読文＋原文＋口語訳＋解説、
という構成で紹介する新書。
訓読分を丁寧に読み、
口語訳で内容を理解し、
解説中に豊富にちりばめられている「原文において使われている漢字のそもそもの意味」を咀嚼してから原文を眺めると、
なぜそれが名文なのかが分かってくる気がする。
その書かれている内容だけではなくて、
その字面のリズムや言葉（漢字）のチョイスもまた、
味があるということが、
うっすらとだけれども想像できる。
手軽に読むものとしての新書であることもあって、
人に勧めることのできる本だと思う。
私の、
中国の古典に対する関心の芽生えを潰すことなく、
次につなげてくれるものだった。