中学理科にロマンを吹き込む（生物・地球・宇宙編）

2008年刊行の『発展コラム式 中学理科の教科書 第2分野(生物・地球・宇宙)』の改訂版です。

書名から「第2分野」という表記が消え、
単に「生物・地球・宇宙編」となったのは、

現在の検定教科書が第1分野・第2分野ではなく学年別の構成になったからだそうです。


旧版をもっていないので、
具体的にどこが新しくなったかはわからないのですが、

「本全体として3割程度の改訂」になったと書いてありました。

旧版には「高校入試問題」がついていたようですが、
本書にはその代わりとして
「ランダムクイズ」という一問一答が各ページの欄外にもうけられています。


やさしい科学のよみものでさえ、
文系読者にとってはハードルが高い場合が多いですが、

本書の場合、
各章ごとに「検定教科書のエッセンス」という導入部が5ページくらいあります。

自分みたいな中学を卒業して何年も経ったド文系でもスムーズに読み進められました。


厚めの本ですが、
各コラムごとに完結して書かれているので、
拾い読みにもむいています。

ダーウィンが『種の起源』を著すまでの流れや、
地球史上最大の生物大量絶滅事件、

星座占いでは牡羊座から順になっている理由……などなど、

「生物・地球・宇宙編」はロマンを感じるようなコラムが多くてワクワクしました。


自分は趣味で英語をやってるので「科学英語の部屋」というコーナーもよかったですね。

食物連鎖はfood chainって、
そのまんまじゃん！とおもわず笑ったり、

魚類は Pisces なのか、
へぇ〜！となったり……。
発音記号つきなのも地味に嬉しいです。


巻末には参考資料や索引もついていて、
内容だけでなく、
構成もよくできてるとおもいます。

（もちろん「物理・化学編」のほうも本書と同じ構成になっています）0