50周年版吹替え音声は快心の出来

作品そのもの、
デジタルリマスターの画像と音声、
特典の充実度に関しては言うこと無しの出来なのでここでは割愛します。

（特典ディスク2つのうち1つが45周年時の使い回しであるのはご愛嬌ということで笑）

今回新しく加えられた50周年版吹替えに心から賛辞を贈ります。

そもそも私は吹替えファンではなく、
いささか偏屈なくらい「映画は原語で観るべき」と考えている者です。

しかし、
今回は本当に心から吹替えを楽しんでいます。


平原さん、
石丸さん、
日笠さんはじめ、
どの声優さん方も本当に素晴らしい。
6種の日本語音声の中でも秀逸です。

原語音声のイメージを崩すことない自然な演技、
そして歌声にも違和感を感じることなく、
いやむしろハマっているほどです。

特に俳優出身ではない平原さんは予想以上の好演。
彼女の歌唱が素晴らしいことは言わずもがなですが、
しっとりと温かく若干ハスキーな声質はジュリー・アンドリュースの声に更に母性が加わったかのようです。

石丸さんはさすがの実力派の安定感。
トラップ大佐の軍人としての品格と家庭人としての包み込む優しさを兼ね備えたような抑えた演技です。

日笠さんも多感な少女のキンキラ声ではなく、
トラップ家の長女としての気品と健気さを醸し出しています。

そして子供達のコーラスに関しても特筆です。
ありがちな寄せ集めのバラバラな印象は皆無で、
相当に音楽的な特訓を積んだと思しき、
豊かで可愛らしく、
かつ完成度が高いハーモニーを奏でています。


当然、
過去の武藤礼子さんや若山弦蔵さんら大御所声優陣ならではの安心感のほうを好む方は多いとは思いますが、
しかし今回の50周年版にはスタッフ、
キャスト陣の「過去最高の吹替えを」という意気込みと、
並々ならぬ「プロの仕事」へのこだわりを感じました。

吹替え食わず嫌いのオリジナル原理主義の方々にもお薦めしたいほどの出来栄えです。


（40周年版吹替えに関してここで一切触れていないことについては。
。
。
どうぞお察しください笑）