アウェアネス（気づき）→ゼロポイント→全体のヒーリング

と、
タイトルで示してみたような流れの本です。


訳者の高木悠鼓さんが後書きでも書いているように、
「気づき」「悟り」（心の完全な安らぎ）を求める瞑想系の本と、
実際のヒーリング（エネルギーを動かす）系の本とが初めて合体した、
そういう点がユニークであり、
また平易な書き方で、
自然に著者自身の行っていることを納得させてゆきます。


著者はカイロプラクティックのドクターであり、
またTM瞑想の考案者のもとで長く修行したということで、
QE（クオンタム・エントレインメント）と言っても量子物理学の専門家ではありません。
したがって最初のほうに出てくる、
量子物理学と絡めた、
思考の発生や波動の説明は、
比喩として読めばよいのではないかと思います。

　著者が実感した、
まったきアウェアネスの領域（よくゼロポイントと言われるもの）が、
止まっているようでありながら、
実はあらゆる潜勢力を含み、
自分だけでなく世界全体に同時に作用を及ぼす状態であること。
それを量子力学のタームで表すと現代人にわかりやすい、
そんなスタンスだと思います。


　この止観ともいうべき状態に入るのは難しいことではなく、
体の各部分を順番に意識して、
気づいていくというプロセスが提示されています。
型にはまった思考の暴走から外れ、
純粋な「いま、
ここ」にいるためにアウェアネスを使っていきます。


　後半は一転、
ヒーリングの実例に満ちていて、
びっくりしました。
このしずかなゼロポイントに入って、
自分またはパートナーにただ指を当てるだけ。
「良くなっている場面」などを念じることもないのです。


　一番あっと思ったのは、
三点法と著者が書いているテクニックが、
バートレットの『マトリックス・エナジェティックス』のツーポイント法そのものだということです。