戦後日本にとりとても大切な小泉先生　いろんな人に読んでほしい、知ってほしい

小泉信三の生い立ちについて、
福澤諭吉との関係、
考え方や教え、
それに至る背景、
義塾、
スポーツ、
家族への思い、
近代日本への影響などを、
詳しくバランスよく理解することができます。
文豪かつ実業家の、
水上瀧太郎（阿部章蔵）との交友も書かれています。
小泉信三の著作を読み興味をもち、
小泉について知りたい人にとって貴重な資料であり、
まだあまり接点がなかった人にとっては、
格好の入門書となります。
十分な情報量があり、
かつ、
ふりがなが適切にふってあって記述も平易で、
年齢を問わず読み楽しむ事が出来るよう配慮されています。


小泉信三をもっと知ってほしい、
そのために幅広い人に読んでほしい一冊です。


福澤が社会を啓蒙し広めようとした精神は、
現代社会でもおおいに有効です。
小泉は、
福澤の精神を自らに沁み込ませ受け継ぎ、
戦後日本にリレーしたことがわかります。
福澤先生の言葉は時代背景を考慮しながら（時に注釈を頼りに）解釈する必要がありますが、
小泉先生が語った「福澤の言葉」や、
先生自身の言葉は、
今日でもそのまま理解納得できるものです。


私も運動部を通じて多くのことを学びました。
有名なお言葉「練習ハ不可能ヲ可能ニス」は皆で共有する重要な教えです。
その教えがあるからこそ、
正しい事を正しいと信じ行う強い心がもてると思っています。
さらに、
この言葉が持つ容儀礼節といった道徳上の意味（p192）は、
この本で初めて理解できました。
本書に詳しく書いてある、
学問やスポーツへの情熱、
家族への愛情、
品よく格好よく正しい生き方など、
少しでも近づけるよう努力したいところです。