現場に責任を押し付けるな！

発売当初から批判されたけど、
けっきょくアマゾン限定は定着してしまった、

それだけ売れてるってことだし、
選択肢が増えるのは悪いことじゃない、


ユーザー側とすればとりあえずケースの大きさだけは統一して欲しい、

マチはともかく、
高さが不ぞろいだと並べるのに不便なことこの上なくて困るだけ、

いままでCDのボックス・セットの置き方ではさんざん本棚でルービック・キューブしてきたからな、

CDならファイル化もできるから解決法がないこともないのだが、


掲示のジャケット写真はいいね、

これこそ本作の内容とテーマそのものだと思う、

ブルース・スプリングスティーン「デビルズ＆ダスト」そっくりなのが泣かせる、


最近のクリント・イーストウッド映画はぜんぶ同じテーマのバリエーション化していると思う、


特に硫黄島二部作以降はまるでどれが遺作になってもいいような力の入れ方だと思う、

そのテーマとは「個人と世の中の関わりの在り方と個人の責任の取り方」と断定できる、


硫黄島の栗林中将の大日本帝国の一軍人であり一人の国民としての責任の取り方に始まり、
チェンジリングでは母の教え通りに責任を果たす少年、
　グラン・トリノでは自らまいた種を自ら刈り取るように責任を果たす老人が描かれた、


本作はクリント作品ではハートブレイク・リッジ以来の軍人映画だが、
もう８０年代のような単純明快な軍人礼賛は時代が許さない、

本作のテーマは現場の担当者だけに責任を押し付けるな！なのである、

世の中には誰かがいやいやでも赴かなければならない極めて過酷で厳しい現場が確かに存在する、

その時、
誰かがその任務を引き受けるから世の中が成立するわけだ、

そして彼が引き受けた結果としての任務の重さを彼一人に背負わせるな！　彼の痛みは世の中ぜんぶで引き受ける必要がある、
とクリント・イーストウッドは語っているのである、


クリントが凄いのは内容が重過ぎるのに作風は肩の力が抜け切ったひょうひょうとした軽さを漂わせることだろうと思う、