雨が止む日

フリーゲーム原作の「霧雨が降る森」小説版の下巻であり、
原作では語られなかった事実の総決算です。

阿座川村で過去、
現在にまで渡ってきた「約束」と「呪い」の真実とその顛末を魅せ切った小説版でした。


前半では須賀とシオリの視点を交えつつ、
その場面での想いが丁寧に綴られており、
実際にプレイしているような臨場感さえ感じられるものでした。

後半では、
小説版において深く掘り下げられた「あの男(石守)」と「夜光石」について「ことりおばけ」の始まりにふれつつ解明していきます。


後半部分は話の流れ的に、
ゲームに組み込むと蛇足になってしまうためカットしたのかなと思いつつ、
須賀、
シオリがそのステージで動くき、
謎解きなどをする姿が想像できるような感じがありました。


小説版は前後編合わせて、
これでもかと言うくらい原作の「霧雨が降る森」について核心に迫る物語だけあり、
文量が中々のものになっています。

ですが、
どんな形であれ「霧雨が降る森」をおもしろいと感じた人にはきっと読んでよかったと思える物語だと私は思いました。


雨は止み、
2人は優しい約束の元に新たな物語を作っていくのでしょう。
それを見ることは出来ませんし、
これからどうなるのかも分かりません。
しかし、
お二人さんお幸せに。

そう言いたくなるのも仕方ないですよね？