長年使っています。プリヒートの危険性と有効性について…

ストームクッカー（TR-25、
27シリーズ）用のプリヒーターです（TR-281、
TR-P301、
TR-23では使用不可）。
４つの爪をTR-B25の溝に引っ掛けて吊り下げる仕組みで、
簡易五徳を使って鍋を載せるような上からの荷重に対応したものではありません。
ストームクッカーベース内での燃焼に対する幾つかの適切な配慮がなされており他の物で行うことは困難です。


バーナー本体の底が加熱されると内部の燃料アルコールが気化して自然に引火し、
普段聞くことの無い燃焼音を伴って高さ約30〜40cmの火焔が吹き上がります。
火災や火傷の危険性があるほどの勢いがしばらく続いた後、
安定した力強い燃焼へと収束していきます。
激しい雨が降ったり風防も役に立たない突風が吹くような悪天候の中でさえ、
短時間のうちに安全で確実に最大火力を引き出せることがこの製品の最も重要な利点です。
あらゆる面において代用物が製品に及ぶことはありません。


単純で効率の良いプリヒーターが用意されているバーナーは他に無く、
その点においてはトランギアを選ぶ価値があります。
プリヒートは燃料消費を促進することや、
アルコールバーナー自体が比較的低温に強いことから、
使用の機会は決して多くはありませんが、
使用者の責任において簡易五徳や他メーカーなど…ストームクッカー以外で使うことも十分可能です。


プリヒーターは気象条件の厳しい低温環境で行動する時、
または通常以上の火力が必要な場合に有効性を発揮する特殊なオプションです。
天候に恵まれた軽度の山行、
クライミングやツーリング、
ハイキングなどの一般的な用途なら、
材質や重量、
大きさや強度、
消火と火力調整器の有無、
燃料の種類など…自分の目的にあったストーブであれば十分で、
とりあえず揃えておくようなコレクションアイテムではありません。


カタログではアルミ製と記載されていますが、
本体と同じ真鍮（黄銅）製です。