見方を変えろ、必ず乗り越えられる!!

アナと雪の女王が世界的に大ヒットし(とりわけ日本は別格)、
その翌年に公開という高いハードルを背負った本作ですが、

作品としての完成度は文句なしに素晴らしいものでした。


とはいえ、
アナ雪はディズニー王道のプリンセス＆ミュージカル物なのに対し、

ベイマックスはアメコミ原作によるヒーロー物であるため、

両者の作風はまったく異なることをご理解ください。


主人公は14歳にして科学の秘めたる才能を持った少年ヒロ。

その才能を違法ギャンブルに使うなど、
家族に迷惑をかける毎日を送るヒロは兄のタダシに諭され、

兄と同じ大学に進学することを決意。
しかしその直後火事によってタダシは死亡してしまう。

悲しみにくれるヒロの前に、
兄が作ったケアロボット「ベイマックス」が起動する。

ヒロはベイマックスや大学の仲間達と共に兄の事故死の真相をつきとめようと奮闘します。

そんな中で襲いかかる謎の敵との戦いを交えながらも、
ヒロが兄の死の悲しみを乗り越え成長していく物語です。


大まかな印象はピクサーのMr.インクレディブルに近いヒーロー物です。

ヒロと科学オタクの仲間たちが自身の発明とアイデアを活かしたスーツを作り、
悪役との迫力あるバトルが見どころの一つです。

マーベルコミック原作ということもあり、
エンディング後にはアノ人まで出てくるというサプライズまでありました(笑)

そんな本作のテーマとなるのは「喪失からの立ち直り」です。

タダシの死に苦しむヒロに対しベイマックスは「友人たちとの気持ちの共有」を通して心をケアすることを提案。

反対にヒロは、
兄を死に追いやった犯人を倒すためベイマックスに戦闘機能を持たせます。

果たして兄の死による苦しみを乗り越える手段は「癒し」か「復讐」か…
その答えは劇中でベイマックスが示してくれます(ここは本作一番の名シーンであると自分は感じました)。


作品の本質的な部分はヒロの成長と自立であり、
ヒロの喜怒哀楽の描写は全て完璧で、