機長の努力が引き寄せた「ハドソン川の奇跡」

バードストライクによりエンジンを失ったA320機（６７トン）をハドソン川に着陸できたのは、
サレンバーガー機長だからこそ起こし得た奇跡だったことがわかる感動の本です。

ストーリーはバードストライク発生の日のドキュメントと、
サレンバーガー機長の半生の振り返りが交互に進みます。

ドキュメントだけだったら、
客観的すぎたでしょう。
この本は、
機長がとパイロットを志し、
米国空軍パイロットとして操縦技術と心得を磨き、
民間航空パイロットへと転進したあとも、
「安全に空を飛ぶ」という責務を果たそうとする真摯な姿勢が読み手に伝わってきます。

まるで日本の武士道のように、
心技揃った機長がいたからこそ、
わずか数十秒でハドソン川に降りることをためらうことなく決断し、
無事着水させ、
乗客全員を脱出させたのです。