真摯に「生き方」を模索する

京セラ・第二電電の商業者であり、
現在日本航空の名誉会長を努める
稲盛和夫氏の「生き方」論であり、
哲学書。

２００４年の初版から重刷されること１０年。
それだけ、
多くの人々に読み
続けられ、
支持されているといえる。

おなじみの人生・仕事の結果 = 考え方×熱意×能力を始め、
利他の精神
の重要性や才よりも徳、
因果応報の法則など、
数々の氏の人生訓や仕
事訓、
そして稲盛哲学が登場する。

６０歳を過ぎて得度され仏門に帰依していることもあり、
宗教的な色合い
が後半に行くにいたがって色濃くなるが、
その後も経済界の重鎮として
君臨していることもあって、
宗教臭さは左程感じない。

もっとも、
第５章の宇宙とのつながりになると、
さすがに遠大過ぎて、
理解
しづらい部分もあるのは事実だ。

とはいえ、
氏自身が、
まだまだ未熟であるといい、
真摯に、
人間としての
正しい「生き方」を生きようと前向きであることこそ、
重要であると説いてく
れることで、
この崇高な考えを完全に会得しなければならないという呪縛
から解き放ってくれるように思える。