80年代に回帰、イタリア産の搾取ホラー怪作。

ラッファエレ・ピッキオ監督（兼製作兼脚本）によるイタリアン・ホラー怪作である（2011年製作）。


エロ・グロ・スプラッター色溢れる80年代イタリア産の怪奇残酷路線を彷彿させる1本である。

特殊メイク＆特殊効果の担当は、
イタリア映画界の血糊のSFX職人セルジオ・スティヴァレッティである。


森にピクニックに来た子供連れの家族が、
何者かに次々と惨殺されるというセピア調の8mmフィルムの様な映像で幕開け。

直截的な殺人場面は見せないものの、
現場に転がる血みどろ死体の描写が、
過去に起きた凄惨な事件を強調しているようだ。

時が経ち、
東欧からきた若い女性2人が、
3人組の男にパーティーに誘われ、
車で目的地に向かっていた。

他愛のない会話の場面が続いた後、
夜も更けた頃、
昔家族連れが殺された森林地帯に到着する。


序盤の展開は惨劇が起った森に引き寄せられる能天気な若者たちを描いたスラッシャー映画の定番的な流れと言える。

が、
本作はアメリカン・スラッシャーとは異なるイタリア産ならではの残虐なエロ・グロ表現、
何でもありの見せ物小屋的な
ゴア映画であった。
常習レイプ犯たちによる凄惨な暴行場面に始まり、
全裸で逃げ回る女、
口封じに殺害しょうと画策する
男たち、
暗闇の中の追いかけっこ、
そして森の中に潜む得体の知れない悪霊（魔物）が出現し、

無差別殺人を繰り返すという猟奇的な凶行が描かれていく。


邦題に偽りありで、
悪魔（悪霊）たちが女性を強姦（レイプ）するという場面展開は無い。

森に誘い込んだ女たちを野獣の如く本性を表した男たちによる「殴る、
蹴る、
犯す」の暴行を加え、

陵辱する過激な描写が展開される。
＜イタリアで実際に起きた事件を基に、
殆ど無名な製作スタッフ・キャスト陣による
レイプシリーズ衝撃作として制作された作品である。
＞

バイオレンス描写から一気にオカルト色が濃厚となり、
映画のジャンルが二転三転していく荒唐無稽な設定ながらも、

意外にスリリング。
古代ローマ時代の剣闘士の姿という悪霊の造形が、
怪奇趣味に溢れた不気味な雰囲気を醸し出している。