関西武士の心意気
直木賞受賞作「梟の城」に続く長編第2作で、
昭和35年1月から8月まで週刊誌に連載された。
当時司馬は36歳。


舞台は尊皇攘夷の嵐が吹き荒れる騒乱の幕末。
幕府の動向を探るため、
京都公家勢力の密偵として3人の男が江戸を目指して旅立つ。
道中、
幕府方の追手をかわしつつ、
剣戟あり、
恋あり、
忍術ありで、
まるでロードムービーのような楽しさだ。
司馬自身は、
大坂がフリ出し、
江戸がアガリのスゴロクのような小説、
といった。


本作のミソは、
主人公たちが「関西出身の武士」ということだ。


主人公高野則近は公家侍、
従者の百済ノ門兵衛は大坂弁丸出しの地元役人、
青不動は伊賀忍者の棟梁。
いずれも伝統的な武士のイメージとはずいぶん違う。
忠臣蔵的な武士を伝統的武士とするならば、
本作の主人公たちは商品経済の発達した市民社会の武士である。


鎌倉の世、
武士は関東から起こった。
江戸時代もなお、
武士の本場は関東であった。
その中にあってひとり大坂は独特の道徳感をもった市民主義的社会を構築していた。
本書の作品のテーマについて司馬は、
伝統的武士道へのアンチテーゼとして書いた、
といっている。
封建の世に独自の町人文化を築き、
武士とは違った道徳律を持った少数民族としての大坂人を描いた、
ともいった。


タイトル「上方武士道」の「上方」は「ぜえろく」と読ませる。
ただしくは贅六と書き、
もとは商家の丁稚や小僧を指す言葉であったが、
転じて関東人が関西人を軽蔑していう言葉となった。
周知のごとく司馬は関西人だが、
あえて「ぜえろく」という言葉を用いたところに、
司馬の関西人としての照れとやや屈折した誇りが感じられる。


娯楽時代小説としての面白さという観点では、
プロットも人物造形も後年の作品には遥かに及ばないが、
大坂という土地を正面から扱った作品として、
司馬の足跡を辿るには欠かせない作品である。
司馬の大坂観、
関西観に興味がある方にお勧めしたい。
花咲ける上方武士道 (中公文庫)

その他の感想

まて利用したいです
ミラーレス機で星野を (追記有り)
めがねジプシー卒業の参考に買いました。
これは使えるね
価格以上のお仕事ぶり
ごくまれにディスケットが必要になります
手触りや使い心地良く、贈答にも最適
アホか?
パイオニアヘッドホン SE-MJ542 で使用
写真付きの丁寧な解説
迅速丁寧で安かったです。
ばかうけ
面白い小説
本当に静か。
Mでもよかった
1巻(子)と6巻(父)対戦の比較?!
トイレの掃除がとっても楽
“フュージョンのナベサダ”を決定付けた名作、待望のリマスター!
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プログラマやエンジニア向けの本
敢えて厳しく書きますが・・・
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乗るだけで測定は便利
純正インクは高すぎ
進撃の巨人から興味を持った方にも
いつもどおり、kindle版もちゃんとしている
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