「あの指導、どこに載っていたかな？」のときにも探しやすい。池田氏の指導選集。

本書は、
「大白蓮華」誌に2014年4月号より連載がはじまった、
池田大作氏の「指導選集」を書籍化したものです。

過去に発刊された指導集との大きな違いは、
彼の膨大なスピーチや著作を、
テーマごとに整理して体系的に短く章だてていることでしょう。


「指導選集」全体の構成は、

第1部「幸福への指針」
第2部「人間革命の実践」
第3部「広宣流布と世界平和」
となるようで、
本書は第1部の「上巻」となっています。


本書は更に3つの章(「真の幸福とは？」「生命変革の原理」「生命変革の実践」)にわかれており、

各章のはじめに「この章を読むに当たって」というタイトルで、
2ページ程度で章のポイントが解説されています。

章内の各項目(節)では、
4〜5行で項目ごとのポイントが示され、
その後に池田氏の指導とその出典などが示されます。


池田氏の著作は「池田大作全集」収録分が150巻、
創価学会の「聖典」とも言える「小説 人間革命」は12巻、
「新 人間革命」は30巻を超えそうな分量で、

これらの膨大な彼の指導を、
コンパクトにまとめて欲しいという要望は以前から多かったようです。


本書は、
原作者である池田氏の了解をとって、
初出原稿を最低限の編集をくわえてあるとのことですが、
もともと1冊の書籍にまとめることを想定していない彼の折々のスピーチや随筆などを、
体裁やページ数をそろえて読みやすくする作業は、
読者の想像を超えた困難な作業だったと思われます。


また、
「大白蓮華」誌掲載に際して、
同時に多言語に翻訳しているらしく、
難しい仏教用語は極力使用していないようにも見受けられます(もともとの池田氏のスピーチが、
1990年代以降は仏教用語の使用を抑える傾向が見られます)。

これは、
今後増えていくであろう「池田氏を知らない世代」の方たちにもわかりやすいように配慮されているのではないかと考えられます。


「大白蓮華」誌に掲載されていたときには、
少し体裁が揃っておらず読みにくい印象がありましたが、
書籍化したものは見やすくまとまっており、
同じ内容ながら読みやすくなった感じがします。