教え方よりもかかわり方

本書は主に小中学校の教師が対象になっていますが、
教師に限らず、
人事担当者、
小中学生の親、

ほかにも教育や学ぶことに興味関心のある方であれば、
本書で述べられていることを、
自分事に
置き換えて考えられると感じました。


私は本書で紹介されているVTSの効果について、
学力向上の側面よりも、
意欲や他者に対する
興味関心の向上に注目しました。
VTSの経験を積むと、
ひとつの解釈に縛られることなく、

必要があればそれまでの考えを捨てたり、
あらためたりできるようになる。
好奇心も高まり、

未知の物事を深く探求するプロセスに積極的に参加できるようになる、
つまり、
考えることや
学ぶことを学ぶ、
とのことです。


さらにグループで作品鑑賞することは、
著者が「反対意見は脅威ではなく、
興味深い価値あるものに
変化し、
多くの問題には複数の解決策があることがみえてくるのだ」と表現しているように、

異なる意見を自然と受け入れ、
活かすようになるといった効果もあるそうです。


本書は教育について、
教え方ではなくかかわり方を問い続けることの価値を、
具体的な
取り組み方とともに示してくれます。
冒頭でも述べましたが、
本書を読めばどなたでも、

自身の教育に対する姿勢を振り返る機会になると思います。