情報量豊か、しかし評価が分かれる部分も

電源ケーブルは再生音に影響を与えるので、
今回、
下記の３種のオヤイデ電気の電源ケーブルを購入しました。


・L/i50V4
・L/i50 G5
・Black Mamba-alpha

自宅の環境では、
音質傾向は、
L/i50V4が最も重心が低く、
高域が少し落ちており、
L/i50 G5は低重心ながらフラットに近く、
Black Mamba-alphaはフラットながら高域にわずかのアクセントがあると言えると思います。
取り回しはBlack Mamba-alphaは硬く、
急な角度では曲げられませんが、
L/i50V4 と L/i50 G5 は柔らかく、
楽に曲げられます。


L/i50V4については、
他のレビューにもある「低音より」という評価が当てはまると思います。
高音に関しては、
非常に高い周波数帯域でやや減衰しているように聞えました。
しかし、
可聴帯域内の情報は充実しており、
柔らかな音質でありながら、
解像度は高く、
例えばオーケストラの各楽器の音がよく聞えます。


中・低音重視で、
高域がおとなしい音は、
いわゆるオヤイデサウンドの伝統を引き継ぐものと思いますが、
それでも昔のオヤイデサウンドとは違うという印象を受けました。
昔はこれほどの解像度はなかったと記憶しています。
これは、
振動吸収性に優れたシリコンの絶縁材を使っていることや、
プラグに無垢の真鍮ブレードを使用していることなどによるのかもしれません。


ただ、
私としては高域の伸びの不足が若干気になります。
楽器の音はよく聞えるのですが、
はじける感じは苦手のようです。
管楽器や打楽器がはじけるような音を出し、
ホールに拡散していく――そのような音の動きや表情の表現は控えめで、
少しもどかしく感じる瞬間もありました。


メーカー自身がこの製品を「高域の抜けなど点では [上位機種に] 譲るものの、
太い中低域、
ナチュラルな再生音などを特徴とします」と紹介していますが、
この安定感のある音をナチュラルと感じるかどうかで、
評価が分かれるというのが、
私の率直な感想です。