考える人に

内田先生のご見解については、
法律学が社会科学である以上、
当然批判もあるだろう。


この本の最大の魅力は、
学説の内容ではなく、
考える楽しさを味わえることにあると思う。


通説的見解の結論部分だけを覚えたい人には向かない。


最高裁判例をどうだっていいとはいわないし、
その洗練された思惟にはむしろ大いに敬意を払っている。

だが、
法学部の学生なら、
そんなに縛られる必要もないだろう。


日本人は、
人も企業も、
世界の様々な法概念や法慣習にぶつかっていかなければならない。

その意味でも、
素養として、
自由な批判精神と発想を身につける必要がある。

本書は、
様々な角度で法律構成にアプローチする思考法を見せてくれる。

学び取るべきは、
その姿勢であると思う。


知的好奇心をくすぐる、
学部向けにはとてもよい教科書だと思う。
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