内容が素晴らしいだけにレビュー状況が残念

多くのレビューにあるよう、
確かに内容は素晴らしいのですが、
そのレビューの8割がAmazon Vineメンバーによる投稿であることを考慮する必要があります。
2012年11月現在、
29件のうち24件がVineメンバーによる投稿、
つまり無料サンプルとして本書を入手した方々であり、
また過去のレビューを確認する限り、
ほんとに英語学習者なのかなぁ？という方が多く含まれています。
ニッチな書籍であることを踏まえると、
当レビューを除き、
実質5件の投稿が29件に、
(言葉は悪いですが) 水増しされていることが、
フェアだとは思えません。


冒頭に述べたよう、
内容はほんとうに素晴らしく、
本来であれば諸手を挙げて5つ星をつけたいところ。
ここまで1つ1つの発声法を徹底解説した書籍は当方が知る限り初めてです。
すでに滞りない英語力を持っている方が、
さらにネイティブに近い音とするべく、
自分の発音を｢さらう｣為の日本語母国者向け書籍としてはベストかもしれませんし、
英語に関わる教職員の必須図書となり得る1冊だと思います。
ただし、
学習段階にある日本人にもっとも必要な｢アクセント／イントネーション｣についての言及が最低限であることから、
少なくとも当方は、
(辞書的な用途での購入を別として)上級者以前の方にはおすすめできません。


内容について2つ不満をあげるとすれば、
序章でまず｢発音｣とは何であるか、
その構成要素をきちんと説明するべきではなかったでしょうか。
発音とリズムではあまりに言葉足らずです。
また、
それぞれの音について、
こういった失敗をしがち、
という初級／上級者の失敗例が収録されていれば、
独学者の立場からは間違えにくく有益だったように思えます。
発音矯正の難しさは、
自分では正しい音を出しているように聞こえてしまうところにあるのですから。
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