考えるきっかけをもらいました

例えばこの本の中で紹介されているナイルパーチという魚の話しのように、
そのルーツを知ることで貧困国の実情を知り心が痛んだとしても、
自分たちの日々の生活に精一杯な私たちは、
モヤモヤした気持ちを残して通り過ぎてしまう。
私たちは「さもしい人間」なのか。

「さもしい人間」という突飛なタイトルと、
「正義」を哲学から考えるという視点に、
不安を抱きつつ読み始めたが、
哲学的な難しい理論も、
アンパンマンの正義や「お互いさま」の倫理、
毒入りギョーザ事件やメタボの罪悪まで、
解りやすく身近な例が軽快にとりあげられ、
笑いも交えて楽しく「正義」を考えることができた。

税金は確かに、
上がれば嬉しくないし腹がたつ。
しかし実は私たちの生活はその上に成り立っているわけだし、
正当な制度さえできれば、
世界のどこかで人間として最低限の生活すらできない人達を、
助けることができるかもしれないと考えた。

誰だってアンパンマンのような「正義」の心を持っているのかもしれない。
人が平等に生きられるようにするにはどうしたらいいか。
政治を哲学で考えるということは難しいことではなく、
人間の根底の部分を考えるという意味で、
意外と身近なんだと感じた。