この本に関連して、パキスタンの新聞に載った記事を紹介する。参考になったら幸いだ。

　この本を知るきっかけとなったのは、
今年の９月初めにパキスタンの英字新聞・DAWNに、
「オサマ・ビン・ラデンの襲撃を書いた著者を仲間が非難」という見出しで掲載されて話題となっていたからである。
この本の著者は、
2011年５月に、
アメリカ海軍SEALがパキスタンのアボタバードに潜んでいたオサマ・ビン・ラデンを襲撃して殺害した時の攻撃隊の一員である。


　オサマ・ビン・ラデンの潜んでいたアボタバードへは、
私は1994年頃に、
小学校や女子師範学校の建設のために何回も訪れていたし、
2011年5月2日のこの事件があった日にはカラチでその報道に接していた。
そのようなこともあり、
事実を知るためにこの本を是非読みたいと思い、
アマゾン・コムを通じて買ったのだが、
その思いは、
ある程度はかなえられたが、
まだ疑問点や不可解さは残っている。


　少々長くなるが、
私はこれからこれを読む方に（既に読んだ方も）、
現地のパキスタンの新聞に載った記事を紹介することにより、
奥行きのある読み方ができるのではないかと思い、
パキスタンでこの事件がどのように扱われているかを紹介しようと思う。

　
　今、
国家反逆罪で33年の刑を宣告され、
ペシャワールの監獄に入れられている、
アフレディというパキスタン人医師がいる。
ペシャワールは、
アボタバードの在るカイバー・パクトンクワ州（Khyber Pakhtunkhwa）の州都である。
アフレディ医師はCIAの協力者だった。
彼は、
肝炎の予防注射と称してアボタバードの家々を巡回する振りをしながら、
オサマ・ビン・ラデンとその家族が住んでいると言われていた家の幼児から血液を採取し、
そのDNA検査によりCIAはオサマ・ビン・ラデンの存在を確信したのだった。


　アフレディ医師は、
今年の5月23日に国家反逆罪の罪で33年の刑を宣告されたが、
その内訳は、

1) Section 121A: conspiracy to wage war against Pakistan or depriving it of its sovereignty（パキスタンに対する攻撃を謀略した、
又は、
パキスタンの主権の剥奪）に対する10年の刑期、

2) Section 123: concealing