J.S.バッハ：371の四声コラール＋69のコラール旋律（リーメンシュナイダー校訂）

和声学習用の教材として長く使われている、
バッハの371の四声コラール＋69のコラール旋律（シェメッリ歌曲集）です。


Albert Riemenschneiderの校訂によるこの版は、
曲の配列はブライトコプフ第３版によっています（一般に和声教本などでバッハの四声コラールを引用する場合、
この番号で示すことが多いようです）。
ただ、
音価の変更やスラーの除去など、
よりオリジナルに近づける方針での校訂が加えられています。


譜面の体裁もブライトコプフ版と同じ、
「371」については鍵盤用の２段譜、
「69」については旋律＋数字付低音の２段譜です。
歌詞は譜面に記入されていないので、
歌唱用には向かないと思われます（「371」については、
巻末の解題で歌詞の一部が紹介されています）。


この版に独自のものとして、
校訂者であるリーメンシュナイダーによる解説の存在があります。
巻頭にはバッハのコラールについての概説や、
編纂・出版の歴史、
巻末には個々の楽曲の出典などが掲載されています。
解説は詳細なものであり、
その部分だけでも必見のものです。


本の大きさはA4よりも一回り大きいのですが、
譜面はそれほど大きく印刷されているとは言えません（１ページに２段譜×８行）。
特に「69」の数字付低音の数字は猛烈に小さく、
ところどころ潰れてしまって読み取りづらい部分もあります。
そのため視力の弱い方だと、
デスクワークならともかく、
ピアノやオルガンの譜面立てに置いて使うのは少々辛いかも…。