ほんとにベストセラー入りするほどの本だろうか？

ミステリーや警察もので売れているというので読んでみた。
というより、
読んでる途中で飽きてきて、
数ページくらい飛ばしたくなる部分が多かった。
英語の場合、
わたしは日本語の2倍以上の時間がかかるのだが、
味わいたくなる文章がないかわりに、
飛ばし読みしたくなる部分が多いため、
2日で読み終えた。


女性が虐待されるおぞましいシーンがたびたび出くるのだが、
それがどうのこうのと言うのではない。
読んでいて非常に違和感をもったのは、
たとえばこの作家、
「かのじょは幼いころはやせぎすで、
目立たない少女だったが、
思春期になり急に美しくなった」と言いたいときに、
「かのじょは幼いころはやせぎすで、
目立たない少女だったが、
思春期になり急に美しくなった」と、
書いてくるのだ。
「おいおい、
何の芸もなしに、
そのまんまかよ」となんどもツッコミを入れたくなる。
小説書くなら、
もうちょっと描写に芸があろうというものだ。


飛ばしながら読み終えて、
この違和感はなんなんだろうと考え直したら、
このミステリー、
というよりは「犯罪に取り組む警察モノ」は、
全編がまるで脚本のト書のような書きっぷりだということに気づいた。
売れたようだから、
いずれ映画化されるのだろうが、
まるで映画の脚本を読んでいるような気にさせる本である。
登場人物のひとりが巨体を揺らしながら走る場面は、
「巨体をゆらしながら走ってくる」と書いてくる。
主人公のカミーユは、
妻を誘拐され殺されたから、
誘拐事件だけは扱いたくないと思っているが、
もちろんその部分は「かれは、
妻を誘拐され殺されたから、
誘拐事件だけは扱いたくないと思っている」と書いてくるわけだ。