グランド・ツアーをパノラミックに紹介した作品
17世紀に始まるイタリアへのグランド・ツアーへの概要をパノラミックに俯瞰するには良書だ。
著者の思想が強く表れた本ではないが、
決して内容の伴わない薄っぺらな作品ではなく、
例えば第二章から第4章にかけてのイタリア旅行指南として書かれたガイド・ブックについての言及や、
時代と共に旅行目的も変わり、
それにつれて変遷するルートやツーリストを受け入れるホテルの状況などは著者独自の専門的な研究が見られる。


実用的なアイティネラリーを組んだ旅行ガイド・ブックが既に1763年に出版されているのは、
当時から如何に多くのツーリストがイタリアの諸都市を訪れていたかの証明でもある。
また版画によるイメージ付の案内書は旅行者の興味を一層掻き立てたに違いない。
こうしたガイド・ブックも時代によって変わる旅の目的とニーズに合わせた詳細な地図入りのポケット・サイズ版が登場し、
出版社がその機能性を競い合って今日のガイド・ブックを作り上げていることも興味深い。
当初のグランド・ツアーの目的が古典を学ぶことにあったために、
古代遺跡が集中するローマ、
ナポリにその注意が集中し、
現代を代表する観光都市フィレンツェが19世紀に至るまで殆んど無視されていた事実は意外だった。


第四章の宿泊施設についての考察も秀逸だ。
イタリアはその観光客の多さに比較して必ずしも受け入れのための設備が整っているとは言えない。
古い時代の区画の中に立ち並ぶ既存の宮殿のホテルへの転用は、
米国式の大型リゾート・ホテルを街中に立てることができないイタリアの都市の宿命だ。
また郊外では修道院のホテル化も珍しくない。
しかし元来個人の邸宅として使われていた宮殿は、
いくら改装したところで大量の旅行者を収容するには適切ではなく、
勢い宿泊者を制限した高級ホテルになる。
イタリアに機能的でエコノミーなホテルが充実していないのはそれなりの理由があるわけだ。


尚いくつか著者の思い違いと思われる記述があるので指摘しておく。
146ページにヴィチェンツァ州とあるが、
ヴィチェンツァは州名ではなくヴェネト州に属する県及び県庁所在都市の名称になる。
また234ページにあるローマの外国人墓地は地下鉄オスティエンセ駅に程近いと書かれてあるが、
ローマの地下鉄にオスティエンセの駅はなく、
隣接しているピラミデ駅のことと思われる。
イタリア旅行 (中公新書)

その他の感想

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