美術系ムックとして観るとコストパフォーマンスは良い.

本書はソフトカバーＢ５変型判（中型本）で、
本文約１１０頁弱・オールカラーでありながら、
税別５８０円は、
この手の美術関連ムックとして観るとコストパフォーマンスは高いと思う。
但し一部のトピック（「国宝のたしなみ方８の基本」）を除いて、
全体の監修者はいないようである。
重文のうち『国宝』指定された、
建造物（１９件）、
美術工芸品（４０件）を中心とした図鑑と言えるが、
コンセプトはタイトルにあるように実在の寺院が所有・管理するものに限定されている。
このため建造物は勿論、
美術工芸品は圧倒的に奈良・京都に所在する寺院の（著名な）“仏 像”類が多い。
巻頭特集に「法隆寺」、
「国宝のたしなみ方８の基本」と題する基礎知識解説などがあり、
メインの（１）建造物、
（２）美術工芸品では、
来歴、
制作年、
作者、
由来、
縁起などが原則として１件１ページ（対象に依り見開き２ページもあるが数は少ない）の構成である。
収録物件について、
全てを紹介することはできないので、
以下個人的に興味深いトピックを幾つか紹介したい。


まず法隆寺特集と（２）美術工芸品で重複するが（12・109頁）、
法隆寺の「玉虫厨子」がある。
本文では「宮殿部の透金具の下にオスの玉虫の羽を敷き詰めて装飾されている……現在はほとんどが剥落」とあるが、
全体写真だけでなく当該「装飾」（「剥落」）部分の拡大写真等もあった方が判りやすいと思う。
次に“仏