そう簡単なものではなかったレイテ湾突入

太平洋戦争を振り返ったとき、
日本人は栗田艦隊謎の反転を歯がゆく思う事でしょう。

栗田艦隊がレイテ湾に突入して敵の揚陸中の部隊を叩くことができればフィリピン防
衛に貢献するとともに、
敵に多大な出血を強いる事による精神的効果がその後アメリ
カに現れるかもしれないからです。
それだけに謎の反転がこれ程までに注目を浴びる
のはあそこで勝っていればという悔しさの裏返しなのかもしれません。


しかし問題はそう単純な話ではないとこの本を読めばわかります。
この反転を謎と呼ぶ
のは、
行けば成功するのになぜ行かなかったのかという認識を基にしたものと言えます
が、
事はそう簡単ではなさそうです。
またレイテ湾に至るまでの栗田艦隊の受けてきた
敵からの攻撃についても実際に体験していない私たちは軽視しているようです。
「なん
で行かなかったんだよ。
もったいない。
」などと軽々には言えないような状況に栗田艦隊
が置かれていた事がこの本を読めばわかります。


当時の栗田艦隊に身を置かれていた方の寄稿もあり、
うがった見方をすれば多少同情
的な記述に偏っているかなとも思う部分もありますが、
それでも当時の栗田艦隊が置か
れていた困難な状況がこの本でわかると思います。
お勧めです。