２０世紀の必読書の一冊

近く１００年目となる一次戦のドイツ学生兵士である。
文中地名が出ているところは検閲はなかったものか？。
戦後手紙を集める謹厳な国民性というものは民族に独特なものであろう。
２次戦後にも同様の書が作られた。
訳者も同様。

手紙には絶望的状況がある一方、
ゲーテ、
文学、
詩篇等が記される。
彼の国程の文化的厚みが有りながら、
戦争を免れない理不尽が人間というものか。
しかも更に繰り返した。
現代でも亜細亜辺で軍備拡大する愚かな国がどや顔か。

神学生が一時帰郷すると、
戦争など存在しない如き懐かしい風景があって、
家で「お父さんが２日前に死んだのよ」と母が告げる知人宛の手紙がある。
短編小説のような実話で忘れ難い。

訳者は２次戦の同様の本の訳もしているけど、
日本では強烈な軍部への戦争協力者というところが、
どうも複雑だ。

後世に残すべき手紙である。