心に響くキャンベルの“遺言”

哲学者で神話学者であったジョーゼフ・キャンベルが、

その最晩年の心境を、
インタビューに答える形で吐露しています。

（インタビューは、
主にジョージ・ルーカスの私邸で、
２年間にわたって行われたもので、

　キャンベルが亡くなる数か月前のコメントも含まれているそうです。
）

内容は、
『比較神話学から導き出された“哲学的英知の集大成”』といった感じで、

“分析的・学究的”というよりは、
“総合的・宗教的”な発言が目立ち、

何故かは上手く言えませんが、
たいへん深く心に響くものがあります。


全編を通じて、
みずから探求した哲学・神話学の成果を、

『実人生に如何に活かすか？』という問題意識が強く感じられ、

“集合的無意識”への神話学的アプローチも随所に散りばめられていて、

読み手の立ち位置によって、
いろいろな読み方が出来る“懐の深い本”だと思います。


かつて、
本書のもとになったＮＨＫのインタビュー番組を見たときの感銘は、

今も忘れることができません。

もしＤＶＤになって発売されたら、
ぜひ購入してもう一度見直したいほどです。

特に『人生の冒険をするか、
しないか』という岐路に立っている方は、

本書から貴重な“示唆・金言”をたくさん収穫できると思います。


哲学・神話学だけでなく、

文化人類学・民俗学・民族学・宗教学などに共通する“普遍的なテーマ”についても、

“人生の指針”という観点から、
あらためて考え直してみたくなる一冊でした。