篠沢秀夫氏のALS闘病記

正直なところ
８月号のある記事を読みたかったのですが
手違いがあって７月号を購入してしまいました。


しかし
かえってそれで良かったと思います。

なぜなら
フランス文学者・篠沢秀夫氏の闘病記を読むことができたからです。

感銘を受けました。


篠沢秀夫氏と言えば
往年の土曜の夜の人気番組
『クイズ・ダービー』における「１枠」の解答者として
ご記憶の方も多いのではないでしょうか。


フランス的知性にあふれ
学習院大学教授（現在は名誉教授）でありながら
まったく偉ぶったところがなく
俗世間や芸能界に関する問題には連戦連敗でした。

知性とユーモアと包容力をかもしだす風貌にひかれて
お茶の間のファンが多かったと思います。


ところが
篠沢秀夫氏は
たんにメディアに露出の多かった仏文学者なのではなくて
本当は
「日本でナンバーワンのフランス文学者」
であるということはあまり知られていません。


その事実は
開高健でしたか谷沢永一でしたかが
明瞭に指摘していました（対談か鼎談？）。


それに勧められて、
私は
『篠沢フランス文学講義』（大修館）を繰り返し読み
その念を強くしました。


たとえば
篠沢秀夫氏は
フランス構造主義のスーパースターだった
ロラン・バルト（Roland Barthes)
に早くから注目していました。

翻訳書としては『神話作用』があります。


それだけなら決して「日本一」とは申せませんが
ロラン・バルトの代表作
”Le　Degre　zero de l’ecriture"
（アクサンテギューが表記できなくてすみません）
を真に理解したのは
篠沢秀夫氏が最初ではなかったかと思います。


現在、
この本の翻訳は何通りも出ていますが
ほとんどが