児童書の名作『The Giver』シリーズの完結編

1993年に刊行され94年にニューベリー賞を受賞した「The Giver」がその後シリーズになり、
これまでに3作発表されている。
今回の「Son」は、
そのシリーズ完結編である。


第一部『The Giver』の世界でBirthmotherとして選ばれたClaireは14歳で息子を産むが、
他のBirthmotherたちのように忘れることができない。
処分されることになっていた息子がコミュニティから姿を消したとき、
Claireはその後を追う。

濁流に飲まれたClaireを救出した辺鄙な村の住民たちは、
記憶を失った若い彼女を半分伝説の生き物として大切に扱う。
だが、
村の暮らしに慣れ、
記憶と目的を取り戻したClaireは、
手を伸ばせば手に入れられる愛と安定を選ばず、
ふたたび息子を探す旅に出る。


これまでの3作が一気に繋がる完結編だが、
第三部のMessengerのときのように、
進行が緩慢で、
読むのが「しんどい」部分もある。

一応全てが繋がり、
まとまるが、
完全に満足できない読者もいることだろう。

だが、
それも著者のローリーが意図したことかもしれない。