構造設計に想像力が必要であることを理解させる本

　本書の著者でもあるMario Salvadoriの"Why Bildings Stand Up"は、
構造技術の発達が橋やドームなどの様々な建造物を実現させた姿を一般の人にもわかりやすく解説する本です。
そして本書は逆に建造物がなぜ壊れたかを様々な事例（アリーナの屋根、
建物、
橋など）を通して一般の人にもわかりやくす解説する本となっています。

　本書を読むと崩壊が一部から全体に波及することがわかりますが、
2001年9月11日のWorld Trade Center、
2007年8月1日のminneapolis bridgeの崩壊も、
それにあてはまります。
1990年代の日本は、
バブルでその本分を忘れた建設会社が地耐力を無視したような巨大構造物を提案した時代でしたが、
本書を見るたびに構造設計は安全のためにその部材ひとつひとつに想像力を働かせる足元を見る力が必要であることを認識させられます。

　建築や土木を学び始めた学生さんに是非、
読んで欲しい本です。