倫理観が試されるB級アクション映画

以下に若干のネタバレあり、
未見の方は注意。

主に一作目についてのレビュー。


“決して罪無き者の血を流すな、

だが悪を行う者の血は川の如く流せ”

上の引用にもある通り、
善悪の区別が半ば自明とされている為、

主人公達の葛藤はそれほど描かれてはおらず、
悪に対して容赦の無い所がある。

スメッカー捜査官の教会でのくだりが、
世俗的な善悪に揺れる心を端的に表現している。


勧善懲悪モノとしては、
『キック・アス』の様な恋愛要素は無いが、

コメディ要素は少々ある。
全体としては硬派な印象を抱く。


予算の問題もあり、
アクションや映像美として視るべき点は少ない。

演出としては、
捜査官の現場検証がユニークだ。

「秩序」を表している音楽や臨場感のある推理、
これは実際にみて貰うのが早い。


口調は荒々しくも、
友人を心配する双子。

自分が手錠を掛けられた状況で弟(双子)が殺されそうになり、

手首から血が滲み出ても構わず力一杯外そうとする兄。


こういった友情や兄弟愛も本作の魅力の一つだ。


聖句の一節を唱えながら、
引き金に指を掛ける。

これが本作を象徴するシーンであると言える。