対話が育ちますように
 これは、
プレゼンや人づきあいがうまくなって仕事や人生で成功しよう、
などというイカサマ・ハウツー本ではありません。
むしろ、
それへの疑問です。


 劇作家であり、
阪大コミュニケーションデザインセンター教授である著者は、
近代演劇では「対話」が最重要視されると言います。
「対話」とは、
著者によれば、
あまり親しくない人同士のあいだで、
あるいは、
親しい人同士のあいだでも、
異なる価値観や情報について交換し合ったり、
すりあわせをしたりすることですが、
日本社会にはこの「対話」という考えがほとんど存在しないと言うのです。


 著者は、
この日本の子どもたち、
若者たちに、
察しあったり、
わかりあったりする日本文化も尊重しつつ、
それに加えて、
他者に向かって言葉によって説明する能力を獲得させたいと願いつつ、
同時に、
「対話的な精神」とは、
異なる価値観の人と出会い、
それを通して、
自分の意見が変わっていくことを受け入れる態度のことだと述べています。
つまり、
コミュニケーションとは、
自分の考えをうまく伝えるだけでなく、
相手の声に耳を傾け、
さらには、
そこから何かが創造されることなのです。


 平田さんはさらに、
対話の冗長率の重要性、
日本の近代国家の国語形成において「対話」の言葉育てがなおざりにされたこと、
たとえば、
対等な立場の者同士が褒め合うための言葉、
女性上司が男性部下に使う言葉の欠落などを説得的に指摘しています。


 本著の中で、
もう一つ、
重要な点を挙げれば、
「弱者のコンテクストを理解する能力」の必要性の指摘です。
つまり、
社会的弱者は、
さまざまな障壁により、
自分の気持ちを整理して伝えることができない場合が多いが、
筆者は、
自分の学生には、
論理的に話す力より、
論理的に話せない人々の気持ちを汲むような人間になってほしいと願っています。


 平田さんの指摘通り、
ここは対話が不景気な社会です。
職場、
サークル、
政治、
宗教、
医療などの場が対話的になれば、
どんなに景気が良くなることでしょうか。
それにはきっと革命が必要でしょうが、
自分の周辺にひとつ、
ふたつ、
そういう場を創造し、
確保するために歩み始めたいという思いが強まりました。
 
わかりあえないことから──コミュニケーション能力とは何か (講談社現代新書)

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