万葉入門

『万葉集』に収められている歌の中から、
しらべや心情が殊に細やかに表現されたものを抽出し、
現代語訳と鑑賞を述べてまとめたもの。

どちらかというと『万葉集』初心者向けともいえる。
誰にでもよくわかるよう、
丁寧にわかりやすい言葉で歌の理解と古代の生活のありようを伝えてくれている。
読んでいて興味深いのは、
鑑賞だけにとどまらない、
万葉人の精神生活やその基盤を民俗学の観点からも指し示しているところだった。

できることなら黙読にとどまらず、
声に出して歌を読みほぐし、
覚えてしまいたい。
それが筆者の願いでもある。
こういう本は最初から最後まで小説を読むように読み通さずとも、
気に入った歌、
気に入った巻を拾い読みして楽しむこともできるので気軽に手にして楽しめる。