いまさら再発されたのが不思議

この本がアメリカで売れたのは、
うまくやっているアメリカ企業を賞賛することでアメリカ人を勇気づけたからであり、
日本で売れたのは、
それらの企業が日本企業の「優れたやり方」を取り入れていると指摘することで日本人を勇気づけたからであろう。
著者のアメリカ人2人と、
マッキンゼーの同僚である大前氏が、
両国で一発当ててやろうと目論んで企画した本であるとすれば、
マーケティング的にはよくできている。

が、
登場する企業はその後業績不振に陥った（あるいは消えてなくなった）企業ばかりだし、
本書で企業の業績を測るために使用されているデータがでっち上げであることを著者自身が認めた今となっては、
本書を盲目的に信仰するのはいかがなものかと思う。