林さんの本の中で最も好きな本です

林輝太郎さんは株式投資で利益を上げるためには投資技術を磨く必要があると唱えている方である．従って，彼の本は技術的な話が多いのだが，その中でもこの本は抜きん出て良書だと思う．特に第4部の「売買実践の解説」では何人かの上級者の手口が載っており，それぞれの得意なやり方で利益を上げる様子を見ることができる．我々が他人の売買を見ることは滅多にできないので，それだけでもこの本は価値があると思う．本を読み終わって，私が最も印象に残ったのは以下の所であった．ある証券会社を定年退職した男がいた．会社100年の歴史の中で最も儲けた男と言われ，祝福されて退職した．手口は日本鉱業と同和鉱業だけ，それも100円で買い，130円で売る．ただそれだけだった．我々は色々な銘柄，方法で利益を挙げようと必死になっている．しかし，株で儲ける方法は極めてシンプルだったのだ．