音楽の「本質」に肉薄
ノンフィクション著作で、
聞いた音の音程が正しく分かるという「絶対音感」というテーマだけで、
これだけのボリュームの本が書けるものなのかと、
見たときには正直ちょっと驚きでした。


が、
読んでみて納得できました。


著者がこの本を書くきっかけは、
たしかに「『絶対音感』について調べてみたい」ということだったわけですが、
それの調べ方が半端ではなく、
音楽と音の科学の両方の側面から、
きわめて多数の専門家に直接アプローチして様々な知見を引き出し、
総合的にまとめようとした結果、
最終的には、
単に「絶対音感とは何か」というテーマを超え、
「音楽とは何か。
人はなぜ音楽に感動するのか」にまで踏み込んだ論述がなされるまでになっていました。


しかも、
専門家へのアプローチの仕方も、
単に断片的に聞きかじるのではなく、
作者自身で科学的な内容を咀嚼し、
また、
音楽家の人生を細部まで調べ、
共感を持って接し、
そうした上で言葉を紡ぎ出しています。
これなら、
これだけのボリュームになるのは当然でしょう。


そして、
作者のその労苦に釣り合うだけ、
ものすごく濃い内容の音楽論であり、
しかも同時に実に感動的なドキュメンタリー小説になったのがこの本だと思いました。


不覚にも、
僕は文庫になるまでこの本のことは知らなかったのですが、
1998年の初刊時にも非常に話題になった本だそうで、
それも宜成るかな、
です。


絶対音感を巡る、
音楽家の様々なエピソードや、
科学的な知見の数々も読み応えがありますが、
僕にとってとりわけ感動的だったのが、
第8章「心の扉」で小説タッチに描かれた、
世界的バイオリニスト五嶋みどり一家の人生模様でした。
これを読んで、
あまりのすさまじさに、
打ちのめされた思いでした。


これを読んでしまうと、
今まで何気なく聞いていたクラシックも、
これからは相当違った聞こえ方になってしまうでしょう。
それだけのインパクトのあるエピソードでした。
中身は、
読んでみてのお楽しみと言うことで、
ここには書きません。
絶対音感 (新潮文庫)

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