人と関わりながら進む人たちに読んでもらいたい一冊

本書はシンクロニシティについての単なる解説本という形ではなく、
シンクロニシティを語る上で必要な著者ジョセフ・ジャウォースキー氏の人生での出来事が描かれています。
もちろん、
単なる物語だけではなくて、
そこに著者の考えが追記されているので、
読み手に全てを委ねる形にはなっていませんので、
ご安心を。
物語という点でお伝えしておきたいことは、
読み手側に追体験をさせることで、
このシンクロニシティという端的な説明が難しいものを的確な形にして伝えられていると私が感じた点です。


そういう意味では「シンクロニシティ」という単語に惹かれたり、
知りたくて本書を検索したり、
手に取ってみたりした方にとっては、
パッと見の（目次などを眺めてみたりでの）判断が難しい一冊とも言えるかもしれません。


そこでレビューとしてお伝えしたいことは、
この本への接し方は３つあると思ったことです。
１つは「U理論」や「学習する組織」を既にに読まれている方が、
ある意味「源流」をさかのぼるように読まれる方、
２つ目は、
自身の経験からくる「アノ体験」について名前があったことに気づいてより「力強い前進」を得られる読み方、
そして３つ目は「シンクロニシティ」を含んだ「何かを成し遂げるために集まった人たちで活動する」ためのすごさや大変さ、
つまりはコミュニティ運営であったり、
そこで行われる個人と個人のダイアログのやり方、
あり方をこの物語を事例として読むことです。


この追体験から「ダイアログ」に私が惹かれていた理由もなんとなくわかった気がしました。


私が「シンクロニシティ」という単語を聴いたのはたぶん２年前くらい前になります。
その時は誰かに「偶発的な必然」みたいな感じで説明を受けたような気がします。
企業に勤めていた私が社外で参加していたコミュニティ活動の話をしていた時に友人から教えてもらった言葉でした。
ですから、
本書は一般的にはリーダーシップの本として紹介されることもありますが、
私個人としてはコワーキングやフューチャーセンター、
つまりはコミュニティに向き合っている人に合っていると思ったので、
それらに関わっている人たちにも読んでほしいと思う１冊です。