残響に気を配りましょう

　カラオケでエコーを効かせると、
いかにも上手に聴こえますね。
不肖私なんぞ、
エコーなしではとても人前で歌えない。
オーディオを聴くのに残響の多い部屋で聴くのも似たようなもんだと思うんです。
エコーと残響の概念は違いますが、
どちらも響きが良くて心地よく聴こえますからね。
しかし、
それで悦に入っているのでは、
生音を求めるオーディオ・ファンの姿勢と相反することになる。


　クラシック音楽のCDの多くは、
ホールで録音されたものは当然そのホールの残響を含んだ音が入っていますし、
スタジオで録音されたものも意図的にある程度の残響が加えられています。
むろん楽器自体の残響もありますが、
それ以外にいわゆるホール・トーンの味つけがなされているわけです。
これは決しておせっかいというわけではなく、
少しでもいい音で聴いてもらいたいとするエンジニアの当然の努力と親切でありましょう。

　
ですから、
そうしたCDを、
さらに残響の多い部屋で聴く必要はさらさらない、
むしろ害のほうが大きくなる可能性すらあります。
ちなみに優れた大ホールの残響時間は2秒程度。
ところが、
これをそのままオーディオ・ルームに当てはめると、
まるで風呂場のようなとんでもない音響になってしまいます。
なぜなら適度な残響時間というのは空間が大きいほど長くなるからで、
たとえば10畳の部屋では0.3秒、
20畳の部屋でも0.4〜0.5秒が適度な残響時間とされます。

　
とすると、
何らかの吸音対策をしないと、
ライブな部屋ではなおさら残響過多になる傾向にあるといえます。
オーデイオ・ルームの残響には十分配慮し、
吸音に気を使う必要があります。
この商品は割と手軽に吸音効果が得られます。
小さいので大きな部屋だと幾つか揃える必要がありますが、
いろいろな場所に貼りつけて試すことができるのがグッドですね。
キンキン音やぼやっと濁った音ががなくなり、
とてもスッキリしますよ。
なかかなの優れものです。