中小規模における「優良企業」の一つの定義を明示した一冊。

本書は、
著者がアメリカ国内において、
知名度・規模だけに因らず、
「優良」と
判断する14の企業群を掘り下げ、
それらの優れた点を体系的に言語化しようと
試みた意欲的な作品です。


取り上げられている各企業は、
売上高や利益率といった数値を経営指標とする
代わりに、
従業員や顧客の満足度、
あるいは永続性などを追求し、
その目的を
達成するために株式の非公開化を維持している所に共通点があります。


また、
良い企業が成長過程で経験する、
「組織全体を覆う“熱意”のような
雰囲気」を、
それぞれの企業が維持しようとしている点を看破したことも、

本書の有益な点の一つではないかと思われます。


今後、
日本国内においても個人〜SOHO・中小規模のビジネスが増えていくと
予想される中で、
そうした分野に関わりを持つ多くの方が、
一度は手にして
みると、
何か得られるものがあると感じるオススメの一冊です。


なお、
類似分野の古典的名著としては、
やはり『ビジョナリーカンパニー』と
（可能であれば）『エクセレントカンパニー』を、
また本書で取り上げられる
ような企業郡がますます価値を持ち始めた社会的背景・動向については、

『フラット化する世界』を併せて読み進めていくとよいかもしれません。