手首に負担がかからない優れもの

　購入して1ヶ月､満足して使い続けている。
実はこの商品を買う前､これとそっくりの外見の日本製のクローズドカフを購入したが､半日使って手首に痛みが生じて使うに耐えず返品した。
痛みの原因を仔細に考えて､カフの回転部分がかなり前に来る構造になっているためグリップを握る手首の角度がかなり強く前倒しになり､体重をかけて歩くと､その手首に強く負担がかかってしまうためだと分かった。

　そこで､それに代わる構造のクローズドカフのクラッチ杖を捜したところ､このエルゴグリフクラッチに行き当たった。
この商品では､肘の位置が充分に後ろに来るように設計されているため､グリップがとても握りやすく､歩いていて手首が疲れない。
歩くための道具なのだから､これほど重要なことはない。
カフのデザインの良さが強調されているようだが､私はそのデザインの良さは何より機能の良さから生まれていることを高く評価したい。

　このタイプの杖は駅で切符を買うときなどに手にぶら下げておけて便利なので､そういう点だけに目を引かれて購入してしまいがちになるが､実はそれ以上に「手首の握り角度」は歩く上で死活問題なのだ。
その点で､このエルゴグリフクラッチはパーフェクトである。

　もうひとつ。
この商品のクローズドカフは､カフの下部が翼状に張り出す形にデザインされている。
これはカフの長さ調節ボタンを隠すもののように説明されているが､使ってみると､この翼状の形があるために､腕を上下させたときにカフがピタリと腕の上下動に着いてくるのだと分かる。
この点も､この杖が使い心地の良いものになっているポイントである事を指摘したい。
私が返品した日本製の杖では可動カフが翼のない半円形だったが､そのため､杖を使っている腕を上げ下げする度に反対側の腕でカフの方向を整えてやらねばならず､大変煩わしかった。