タイトルはキャッチャーだけど、とても品のある内容。

　モテや愛されを掲げた本は、
あざとさが見え隠れするけど、
この本に一貫して流れているものは「気配り」です。


　私自身は、
「モテ」「愛され」を前のめりに求めつつ、
そういう欲求を斜めに見てしまうときがある、
というかなりメンドクサイ読者ですが、
どちらのモードのときも、
気持ちよく読めました。


　たぶん、
著者が、
どんな女性に対しても気配りを忘れていないからだと思います。

　「モテたい」「愛されたい」という、
意識しすぎても無視しすぎても失敗する欲求を、
全体を通して優しく肯定してくれているように感じます。

　その上で、
具体的に愛されテクを示していて、
そのテクの匙加減が絶妙です。

　綺麗系にも可愛い系にも、
品の良さと色っぽさをプラスするテクニックやアイテムを、
丁寧に説明しています。

　行き過ぎず、
さりげなく、
ちょっと色っぽくなるテクニックは、
やはりテクニックというより、
気配りと言ったほうがしっくりきます。

　自分をより良くする気配り。

　相手の目を楽しませる気配り。


　個人的には、
「モテとか愛されとか、
もう人にそこまで気を遣うのやだー！　洋服くらい好きなものを着せてー！！」というサイクルがたまにやってくるけど、
そういうときでも、
「この服を買いに行くのは楽しいかも」、
「この格好はしたくなる」、
と思えるイラストが必ずあります。

　どんなときでも、
おしゃれやモテに対して、
わくわくさせてくれる文章も秀逸です。

　・水色で、
起きぬけの朝を連想させる
　・ラップワンピースでおいしそうな女になる
　などなど。


　実際、
あまり元気が無かった日に、
まずは自分のために水色のスカートを着てさわやか気分を盛り上げたら、
初対面の男性に褒められ、
連絡先を聞かれてメールが来たということがありました。


　この本が他のおしゃれ本と違うところは、
女性が持つどんなメンタルも、
むやみに否定せずに受け止める姿勢だと思います。
その上で、
愛されるおしゃれの具体例を、
イラストと文章で楽しく伝えてくれています。