よき友の意見に耳を傾けることが大切である
著者アンドリュー・J・サター氏は
はじめにでこう述べている
「明るく、
元気なお年寄りの一団が、
トイレットペーパーがぎっしり入った袋を手に集まっているのを見つけました。
後日聞いたところによると、
通りに店を構える魚屋さんが、
西日本に住む親戚を通してトイレットペーパーを入手し、
不自由している地域の一人暮らしのお年寄りに、
無料で分けてあげたのだそうです。
このような行為は、
日本では英雄的行動というよりは、
親切に分類されるものではないでしょうか」
この一節からもわかるように
これはエズラ・ヴォーゲルのような「ジャパン・アズ・ナンバーワン」でもなければ
ましてやブルーノ・タウト、
ルース・ベネディクトのような
日本を特殊な社会に見立てる日本人論ではない
日本に在住し、
日本の現実を生きている「外国人」が
日本をよりよく変革するには
どうしたらいいかと具体的な提言をする極めて重要な本である
彼は「経済成長」はマネタリストが作ったものと述べている
「1940年代後半、
米国中西部の大金持の共和党員が設立した財団が、
シカゴ大学経済学部への寄付を始めた。
企業の目的は
大企業の利益をまもる経済理論を構築し、
普及させることだった。
」
「寄付された資金で最初に行われたのがハイエクとミルトン・フリードマンを雇うことだった」
このマネタリストの流れをくむ経済官僚が日本で「経済成長」がつくったもので
それは
最近の事例でいえば「アベノミクス」だが
本書では「アベノミクス」はとりあげられておらず(本書上梓は民主党政時)
民主党政権の「新成長戦略」を批判する。
だが
それは民主党固有の問題ではない
著者がいうように
政権がかわっても
「経済成長」を続けるからである
「この本のアイディアを思いついたのは、
自民党の福田康夫政権の時代でした。
そして書き終わったときは民主党の野田政権の時代に
なっていました。
(中略)いままで政権が変わっても政治はあまり変わりませんでしたから。
」
事実、
自民党に代わったら
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