よくあるタイプの暴露本ではない

他学部卒業後、
医学部に再入学し、
新医師臨床研修制度１年目の医師として研修医を経験したあと、
病理専門医となった著者です。

タイトルから受ける印象ほど扇情的な内容ではないのが、
かえって良いです。


著者の立ち位置は明確ですが、
現在の医学教育、
医療現場の実態を決して一面的ではなく、
データも示しながら多角的な視点で書かれています。
特に病理医についての内容は（私も病理医なので）頷けることばかりでした。

暴露本というよりは真面目な紹介本という印象です。


「医者ムラ」というタイトルの語は、
医師の世界の狭さをこういう言葉で表現したのかもしれないのですが、
どうもなんだか…ということで、
星１個だけ減点しました。


他学部を卒業したけれど医学部に再入学したい人や、
医療業界、
特に医師特有の「常識」について知りたい人にはお勧めしたい本です。