タイトルは衝撃的ですが

もと国税調査官であった筆者がギリギリの節税策を伝授するという触れ込みの本で興味をそそられて購入しました。


話の内容は大別すると二点あるようで、
ひとつは日本という国家が少子高齢化に対する対策をとっておらず、
また、
実は大企業の優遇が過ぎる等の税システム上の欠陥があるという国家の態勢についての問題点を提起するということ、
もう一つは節税のための具体的なテクニックです。


前者についての筆者の主張は十分に頷けるものですが、
当然のことながら、
そのことと節税の話とは直接はリンクしていません。
後者の節税策については、
誤解されやすい費用項目についての解説は有用だと思いましたが、
小規模企業共済や中小企業倒産防止共済の活用を始めとする提言は、
自分で事業をやっている人にはある程度広く知られている一方サラリーマンにはそもそも活用不能といった事項も多く、
全体的にはごく常識的な内容のもので、
目新しいものは余りありませんでした。
その意味で、
税金を払う奴はバカというタイトルほどの衝撃的な内容、
目から鱗が落ちるような提言というものは見出すことができませんでした。


ご自身で（個人経営又は会社組織で）事業をしている方で、
これまで節税というようなことを余り考えたことがない方（という方が実際にいるのかどうか分かりませんが）にお勧めです。